ウッドデザイン賞2016受賞 「自力建設プロジェクト」
2001年の森林文化アカデミー開学時から行っている16年目をむかえる教育プログラム「自力建設プロジェクト」が、今年度のウッドデザイン賞に選ばれました。
コミュニケーション分野 ソーシャルデザイン部門 教育・研修システムでは勇逸の受賞です。
ウッドデザイン賞2016 プレスリリース https://www.wooddesign.jp/pdf/winprizelist-press.pdf
コミュニケーション分野 一覧 https://www.wooddesign.jp/pdf/winprizelist-detail3.pdf
自力建設プロジェクトは、名前の通り、学生が主体となって設計から施工(監理含む)、利用までを行います。2年間という短い専修教育の中で効果的に建築の技術や流れを学習するところに特徴があり、アカデミーでの建築教育の根幹となっています。
16年目をむかえる今年度の自力建設は上棟が終わり屋根仕舞をむかえています(過去のブログも参照)が、16年間でいろいろ変化した部分と、当初から変わらない部分があります。
大きな変化は、3年前に木材調達を原木市場から林業学生にも手伝っていただき本学演習林からの木材(主に杉、桧)に切り替えたことです。これによって、林業の学生は自ら伐った木がどのように使われていくのか、学内で見ることができます。建築を学ぶ学生も伐った人を思い浮かべながら刻みを行うことで、また違った印象を受けることでしょう。
来年度は、若いエンジニア科の学生にも積極的に参加していけるような取り組みを考えており、指導的役割を目指すクリエーター科のさらなる効果を期待しています。このように、時代に合わせて少しづつ教育システムを変化させてきました。
また変わっていないものに、手で作っているという感覚を大切にし、体験するために、基礎工事などでも、極力機械に頼らない方式を基本としています。さらに、地鎮祭、上棟式、竣工式など、その時々で開催する神事なども行い建築文化の継承も考えています。
こういった効果的な教育手法、学内での木材供給、文化的な要素などが評価されて今回の受賞になったのではないかと思います。
毎年お手伝いいただく方もたくさんおられます。この教育システムは、東濃ひのき製品流通協同組合さん、T-PLAN建築工房さん、協同組合 東濃ひのきの家さんはじめ、学内の教職員、学生、地域の方々など、たくさんのご尽力によって実現しています。
ありがとうございました。
PS.昨年度のウッドデザイン賞2015林野庁長官賞受賞の「アベマキ学校机プロジェクト」に引き続き、2年連続受賞です。
准教授 辻 充孝